「心理学が教える人生のヒント」(日経BP社)が刊行されました。
アメリカという国について、私たち日本人に十分理解できないことのひとつが人種にまつわる問題です。
公平で、自由な国と思われているアメリカでも、黒人に対する思い込みが今でも裁判の結果などに重大な影響を及ぼしている事例が紹介されています。
裏を返すと、そのアメリカで黒人であるバラク・オバマ氏が大統領に選出されたのは、その好ましくない力 に打ち勝った、画期的な出来事だったのです。
本書は190件近い心理学の実験や理論を基に、私たちが知らないうちに影響を受けている心理的な力について解説した読み物です。
アメリカの一人の女性教師が「目の色」で人を差別することを体験させた小学校での実験や、ゆらゆら揺れる吊り橋の上で人が恐怖と恋愛感情を混同する、といった有名な事例も紹介されています。
驚いたことに、思い込みに誘導されることで、人は「見ていないもの」を見た、と思い込んでしまうことすらあるというのです。
色がこれほど大きな影響力を持っていることも、一般にはあまり知られていないでしょう。
会社のWebサイトの背景色を決める時、大切なデートに行く時、「勝負色」が物を言うようです。
著者のオルター氏は、そんな力が存在することを知れば、人生のさまざまな場面でより的確な判断ができるだけではなく、子供たちが好ましくない偏見を身に着けるのを防ぐことができると主張しています。
日本人の特徴である集団主義についての興味深い考察も述べられています。
ぜひ、一度お手に取ってみてください。
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