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私の本棚 「Socialnomics」

私が読んだ洋書をご紹介

Socialnomics: How Social Media Transforms the Way We Live and Do Business

Erik Qualman著 (ハードカバー)

●関連リンク・アマゾン
http://www.amazon.co.jp/Socialnomics-Social-Media-Transforms-Business/dp/0470477237

本書はソーシャルメディアとは何か、どのように使われているかの説明から始めて、それが社会経済に大きな変化を与える潜在的可能性があることを述べた本です。
昨年出た本で、「ソーシャルメディアは3年でここまで拡大した」と述べられているように、米国でもソーシャルメディアの今後やその影響力は予測しきれていないようです。

●おもしろかった点をいくつかあげてみます。

この本を読むと、ソーシャルメディアが政治的、経済的にかなり大規模な変化を引き起こす可能性があることが理解できます。日本のmixiなどは若い人に人気があって、私もこれほど人気があるのかと思っていたのですが、著者は「Googleの次のライバルはソーシャルメディアだ」と言いきっているほどで、日本でもこれからもっと関心が高まると思われ、とても興味深いテーマだと思いました。おもしろい本でした。


具体例が多いのが本書の特徴で、実際に起こったことを説明しながら、さまざまなソーシャルメディアサイトやその使われ方が具体的に分かるのはとても良い点だと思いました。

ソーシャルメディアを利用する人々の行動様式が今までと大きく変わっているということも説明されていて、コンピューターやこういった機能の年代による利用の仕方の違いを理解する助けになると思います。

ソーシャルメディアの持つ「個人性」、「多様性」、「速報性」がどのように社会経済を変革させていくかがよく分かります。現在行われているマスメディアによる広告という販促手法が通用しなくなっていることもかなり厳しく指摘しています。「口コミを読むこと」や「細かい差別化」がメディアを利用するビジネスで大きな威力を発揮するようになっているというのは、ある年代以上の人には発想の転換を迫られる事実だと思います。それを認識できるというのは価値のあることだと思いました。メディアに携わる一人として、考えさせられました。

●問題を感じた点をあげてみます。

著者がWebマーケティングの仕事をしている人なので当然ですが、ソーシャルメディアの良い点ばかりが強調されているきらいがあります。「個人はサイバー空間での行動に慎重になるべき」という記述はありますが、デメリットや危険性にもう少し踏み込むべきだと思いました。

ビジネス的な利用の可能性の説明が中心で、個別具体的ではあるのですが、ソーシャルメディアや電子機器と社会の変化の関係であるとか、ソーシャルメディアによる個人の行動の変化の分析といった大局的な考察はありません。そこに少し物足りなさを感じました。

この本の目次には各章の抄録がつけられています。おそらく、読者がアマゾンの中身検索で目次を見ることを想定して、「オンラインで本を買う人向けの効果的な販促手法」を実践したのではないかと思います。よい工夫ですし、まったく何も手がかりがないよりはるかによいと思います。ただ、私自身は、それを見て買っても予想と違う部分があったので、やはり本は手にとって、実際に読んでみないと分からないと改めて思いました。私自身は、洋書はなかなか現物を見られませんが、日本語の本は可能な限り書店である程度内容を見てから買うようにしています。